Tachihara Michizo Memorial Museum
「詩人の夢の継承事業」(さいたま市政令市記念市民事業)
―立原道造の「ヒアシンスハウス」建設について募金協力のお願い―

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●募金趣意書

 人が歩いている。走っている。沼縁で釣りをしている人がいる。犬を連れている人。ベンチで沼面を見ている人。
思索をしている人。吟行をしている人の群。鳩の群。メタセコイアを描いている人がいる。メタセコイアの木々に
囲まれた沼面を渡る風。人は沼畔に立って手足を伸ばす。
 別所沼畔は市民に親しまれ、神保光太郎の詩碑にたたずみ沼面に映るひとひらの雲を眺めたり、長谷川かな女の
句碑に曼珠沙華への思いを馳せ、昔日の面影をたどる時が流れている。
 その面影の中に、詩人立原道造(1914-1939)がかつてこの別所沼畔に計画したヒアシンスハウスなる小住宅
がある。
 1937(昭和12)年冬から翌年の春にかけてのことである。当時は沼畔には葦がおい繁り、静寂をきわめたこの
地に若い詩人立原道造が神保光太郎を慕ってヒアシンスハウスを建てようとした。堀辰雄のもと、詩誌『四季』の
詩人として、青春の憧れを詩に託した立原道造は、そのじつ建築家であり、「浅間山麓に位する芸術家コロニイの
建築群」という壮大な都市計画などは今も心動かされるものがある。
 詩人であり建築家、そうして24歳8か月という若さで他界し、夢が実現できなかったその無念さが私たちの気持
を突き動かした。詩人の憧れ、その真実を推し量ることは難しいが、ヒアシンスハウスの設計図が現存しているこ
とは後世また私たちの夢を育み、ここに「詩人の夢の継承事業」を推進する気運を高めたのである。
 奇しくも、今夏ここに50年に一度花期を迎えるという竜舌蘭が咲き誇り、この貴重な花を観賞に訪れる人が多い。
65年前、詩人立原道造がヒアシンスハウスを建てる計画を持ちながら若くして失ったその夢を今受け継ぐ意義を、
妖しい竜舌蘭の花を見あげながら思っているのである。

 この4月より「ヒアシンスハウス」建設に向けて多くの方のご協力を頂いて参りましたが、さいたま市政令市記念
市民事業として、さいたま市の協力を得て別所沼公園内に建設する運びとなりました。
 つきましては、左記の要項により、立原道造と別所沼を愛されます多くの方々のご賛同を賜り「ヒアシンスハウス」
建設の基金応募を求めることにいたしました。
 ここに、皆様方の更なるお力添えをお願いいたしたいと切に願っております。

●建設概要
 場  所 さいたま市別所沼公園内
 施設用途 市民の文化活動施設
 建  設 建設技能を持つ会員有志と学生の協力による自力建設
 管  理 会員のボランティアによる常駐管理
 建設時期 2004年春着工
      2004年秋竣工

●募金要項(2003年9月開始)
 目標額  600万円
 募金額  一口3,000円(何口でもお受けいたします。)
 送金方法 郵便振替口座 00110-1-684440 ヒアシンスハウスをつくる会

●ヒアシンスハウスをつくる会 世話人会
 永峰富一(代表) 北原立木 窪寺茂 坂本哲男 津村泰範 中村誠 三浦清史 山中知彦
 
●ヒアシンスハウスをつくる会 発起人
 鹿野琢見 中村稔 堀多恵子 吉武泰水(故人)
 秋谷豊 在塚礼子 生田テル 石原武 市川毅 岩渕均 大宇根弘司 太田邦夫 加藤克巳 窪田陽一
 菰田勇司 坂本満 櫻井慧子 神保明彦 鈴木博之 竹内克好 タケカワユキヒデ 立花隆 立原肇裕
 長澤泰 長谷川泉 原凱 馬場璋造 飛高敬 平田繁 藤巻進 星野和央 星野紗一 槇皓志 町田宏
 松本鶴雄 宮本則子 森田公司 弓削緋紗子

●協力
 さいたま市 さいたま文藝家協会 立原道造記念館 ものつくり大学 日本建築家協会・埼玉

●連絡先等
 ヒアシンスハウスをつくる会
  〒330-0014 埼玉県さいたま市大宮区大門町2-39 永峰綜合計画事務所内
  電話048(641)0123 FAX 048(641)0869

 事務局
  〒336-0021 埼玉県さいたま市南区別所5-5-9 北原立木
  電話&FAX 048(863)4474



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